授業を行う先生へ

・本教材シリーズでは、善悪がはっきりしない状況や、つい見落とされがちな問題を積極的に取り上げ、リアリティのある物語として描いています。本教材をとおして、一人一人がいじめゲームのルールを変えるチェンジャーズとなっていってほしいという願いのもと制作をいたしました。

・教材を見れば、子どもたちからは何か言いたいことが出てくるはずです。子どもたちによる話し合いを中心に授業を進めてください。話し合いの時間をできるだけ多くとれるように、短めの尺の中で問題点を具体的に描いています。すぐに答えが出ないような難問についてねばりづよく話し合いながら、他者への想像力を養っていってほしいです。

・授業中は、子どもの話を丁寧に聞いたり、もやもやに共感したりする時間を大切にしてほしいです。「こうすべき」という結論を急がず、本音が出されることや、多様な意見が出されること、少数派の意見を丁寧に聞くことなどを大事にしてほしいです。

・オープンエンドで終わることを想定していますが、「本時では多様な考えが出されてよかった」というだけではなく、「これから自分(たち)には何ができるだろうか」と今後の生活につながるような終末を目指したいと考えています。授業時間内に1つの結論を出す必要はなく、これからチェンジャーズになるためのきっかけを掴んでもらいたいと思っています。

・モデル指導案を掲載しておりますが、クラスや子どもたちの実態に合わせ話し合いが深まるよう、自由に柔軟に授業を展開してください。1つの教材の中に、複数の問題が描かれており、主人公以外の視点から議論をすることが可能な教材もあります。道徳科、特別活動、総合的な学習の時間など、様々な教科等でご活用いただければ幸いです。

【プロフィール】

田中六大

東京都出身 多摩美術大学卒業。絵本作家。
主な著書「うどん対ラーメン」「ラッタくんとかみやまくん」「おしっこもらスター」「ふしぎなえき」など。
現在、朝日小学生新聞に、週1で4コマ「へんてこふしぎ係アルカナ」連載中。

【作者コメント】

周りのノリの中で、自分自身は嫌ではないから、人にやってしまったり、やられた時に空気を読んでしまい、本当は「嫌だ」ということが言いにくいことは、大人の世界でも集団で生活しているとたまにあります。 その場では言えなくても、後で落ち着いている時に誰かに正直な気持ちを言ってみたり、相談できると良いですね

ナイスプレー、みんなでタッチ!

SOS距離感生命の安全教育プライベートゾーン

 文部科学省は「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」のもと「生命(いのち)の安全教育」の推進を求めており、小学校低・中学年においては「自分と相手の体を大切にする態度を身に付けることができるようにする。また、性暴力の被害に遭ったとき等に、適切に対応する力を身に付けることができるようにする」ことをねらいと設定しています※1。
 本教材では「自分の体を大事にする」ことをテーマとして、プライベートゾーンへの接触に関する問題を描いています。主人公のカズマは、クラスメイトとサッカーをする中で、自分のプライベートゾーンを触られるのに違和感を抱きます。友達はふざけておしりを触っているのですが、カズマはそのノリについていくことができません。自分が周囲とは違う感覚をもっていることや、こんな悩みは些細なものではないかという思いから、一人で悩んでしまいます。 こうした問題について子どもたちはどう思うでしょうか。クラスでの話し合いをとおして、心や体の安全について理解を深めていきましょう。
※1文部科学省「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」

対応する教科等  道徳:相互理解、寛容 / 友情、信頼/ 個性の伸長 生命(いのち)の安全教育 SOSの出し方に関する教育 特別活動

作者:田中六大

脚本:阿部 学 | 映像制作:303BOOKS
※指導案・作品台本は以下からダウンロードなしで直接閲覧可能です。
 指導案  台本


いじめといじり、どう違う?

中学生のジュンはちょっとおとなしい性格。ふとしたことから、お笑い芸人のモノマネをするよういじられ始める。いじりがエスカレートする中、ジュンは、いじられキャラを受け入れるか悩む…。

いじり 同調圧力 部活

一生懸命じゃいけないの?

学級委員長として一生懸命がんばる美月(みづき)は、ふざけるクラスメイトを強く注意したことで、皆から反感を買ってしまう。副委員長の小花田(おはなだ)は、美月とクラスメイトとの間で、自分がどうすべきか思い悩む…。

同調圧力 傍観者

自分のSNSなら何を書いてもいい?

サッカー部の夏の大会は、オサムのPK失敗により終わってしまった。もやもやした気持ちを抱えるトモノリは、自分のSNSのプロフィール欄に、間接的にオサムの悪口を書く。書き込みをした瞬間は気が晴れたトモノリであったが…。

ネットいじめ SNS 傍観者 部活

「決めつけ」が人を傷つける?

ある日、シオリが鞄につけていたマスコットがなくなった。クラスメイトは憶測でミユが盗ったのではないかと言う。母親からは「その子とは関わらない方がいい」と言われ、シオリはミユとの付き合い方に悩む…。

家族 友達 思い込み 傍観者

白熱するオンラインゲーム

マサルたち仲良し4人組は、オンラインゲームにハマっている。最初は楽しく遊んでいた4人だったが、白熱するあまり暴言が飛び交うようになる。そうした雰囲気が好きではないマサルは、ゲームが楽しくなくなってきていることに気づく…。

オンラインゲーム コミュニケーション 言葉づかい

男女で遊んじゃいけないの?

小学生の美咲(女子)は、いつも男子たちとカードゲームで遊んでいる。ところが、同じクラスの女子グループはそんな美咲のことをよく思っていない。美咲は、女子グループに「男子じゃなくうちらと遊ぼう」と言われ困惑する…。

ジェンダー カードゲーム 同調圧力

親には心配をかけたくない

合唱コンクールの指揮者になったシンペイは、一生懸命がんばろうとするあまり、クラスメイトから反感を買ってしまう。「学校に行きたくない」と思うシンペイだが、指揮者になったことを喜び期待してくれている母親に、そのことを言い出せない…。

SOS SNSいじめ リーダーシップ マザーコンプレックス 子離れ

大ごとにはしたくない

小学生のミナミは、クラスメイトから容姿についての悪口を言われている。ミナミは、担任の先生や親にそのことを相談しようかと一度は思うのだが、「相談をしたら、大ごとにされてしまうかもしれない」と想像し、ためらってしまう…。

SOS 容姿いじり ルッキズム

みんなでそろえたマスコット

ヒマリ、ユイ、リコ、メイは、演劇部の仲良し4人組。いつも一緒に行動していたのだが、ユイが次の公演の主役に抜擢された時から、なんとなくイヤな空気が流れ始める。ある日の帰り道、遅れてきたユイは、他の3人がおそろいのマスコットを付けていることに気づく…。

部活動 仲間外れ 同調圧力 ほのめかし おそろい

先輩には何も言えない

中学1年生になったマリアは、念願だったバスケ部に入部し、練習に励んでいた。ところがある日、悪気なくあいさつを無視してしまったことが原因となり、先輩たちから強く当たられるようになってしまう。同期の友人たちはマリアに同情するものの、みな、先輩には何も言えず…。

部活動 上下関係 年功序列 しごき ハラスメント 挨拶

もえあがる応援席

カノンの学校では、クラス対抗のスポーツ大会がある。スポーツが得意なカノンは試合で大活躍。応援の声もどんどん大きくなっていく。ところが、もえあがる応援席からは次第に暴言や嘲笑の声も聞こえるようになる。試合には勝ったものの、カノンにはもやもやした気持ちが残る…。

応援 空気 ノリ 雰囲気 スポーツ ヒートアップ

相談しなくても大丈夫?

小学生のチカは、クラスメイトから容姿のことをからかわれている。そのことを母親に相談しようと一度は勇気をふりしぼったのだが、タイミングを逸してしまう。それからチカは「相談しなくても大丈夫」だと思うようになってしまう…。

相談 SOS 容姿いじり 悩み 不安 ルッキズム

楽しい? ふでばこさがしゲーム

置いてあったふでばこがなくなり、ケントが困っている。クラスメイトのリョウスケとワカナがふでばこを隠していたのだった。その後も2人は楽しい「ドッキリ」のつもりで何度もふでばこを隠す。その度にケントは探し回ることに…。

ドッキリ いたずら ものかくし ノリ からかい ゲーム