「決めつけ」が人を傷つける?
本教材では、主人公の持ち物がなくなってしまうというトラブルが起こった際に、周囲の人たちが主人公に様々な助言をする様子が描かれます。クラスメイトはよかれと思い「友人が盗ったのではないか」と推理をし、母親は主人公を心配するあまり「その子とは関わらない方がよい」と伝えます。友人が持ち物を盗ったかどうかは憶測でしかないのですが、周囲の声にゆさぶられ、主人公は自分が友人とどう接するべきか思い悩んでしまいます。
本教材をきっかけにして、憶測や決めつけによって人を傷つけてしまうことや、周囲の声を聞きながらも自分の意見をもつことなど、様々な論点について掘り下げていってほしいです。
「決めつけ」が人を傷つける?
道徳:C-13 公正、公平、社会正義(関連内容項目 B-11 相互理解、寛容)
山崎 智子 先生
千葉県旭市立干潟小学校
ねらい
クラスメイトやお母さんの言葉について話し合うことを通して、偏見をもたず誰とでも分け隔てなく公正、公平な態度で接しようとする心情を育てる。
動画を見ている時に、友だちが「予想だけど、ミユがとったんじゃない」という場面で「ひどい!」という児童が数名おり決めつけていることに対してよくないことは多くの児童が感じているようでした。その後、Xチャートを用いて友達やお母さんはどういう思いだったのかを話し合っていくことで、シオリを思う気持ちや心配する気持ちに気付くことができました。しかし、決めつけられてしまったミユの気持ちを考えると、「学校に行きたくなくなる」「友達にそう思われて悲しい」等自分が同じ立場だったらどう思うかを想像しながら考えることで、決めつけが相手の心を大きく傷つけてしまうことを感じることができたようです。振り返りでは、一人が決めつけてしまうことでみんなを巻き込んでしまうことや、誰かが傷ついてしまうと記述する児童が多くみられました。これからの学校生活でみんなが気持ちよく生活するためにはどうしたらよいかを考える時間となりました。