白熱するオンラインゲーム
ゲームで遊んでいると、熱中するあまりついつい攻撃的・暴力的になってしまうことがあります。特にオンラインゲームでは一人でなく複数人で遊ぶことになるため、互いに影響を与え合い、良からぬ振る舞いがエスカレートしてしまうこともあります。その空気が当たり前のものとなり、知らぬ間に誰かを傷つけてしまうことがあるかもしれません。
本教材では、オンラインゲームで遊ぶ仲良し4人組が描かれます。最初は皆で楽しく穏やかに遊んでいたものの、次第に過度に熱中するようになっていきます。その状況にひとり違和感を抱える主人公の気持ちを想像しながら、オンラインゲームでのコミュニケーションのあり方について話し合ってみましょう。
白熱するオンラインゲーム
道徳:相互理解下大澤 翔吾 先生
千葉県袖ケ浦市立 奈良輪小学校教諭
ねらい
・多様化するコミュニケーションの在り方についてどのようなことに気をつけていくか考える。
・多くの人の意見に触れることで価値観を広げるきっかけを作る。
ICT機器のオンラインアンケートと、チャット機能(いずれもTeams)を活用し、授業展開を行った。場面2、4のアンケート場面は、無記名(教師のみ確認できる)で表示される。多数派の意見に流されやすい児童が一定数いる中で、このような方法は他人の意見に左右されないため、ICTならではのメリットであると感じた。場面3では、あらゆる可能性を考えて自由にチャット上に書き込ませた。合計で40件以上の書き込みがあり、全員が投稿できた。これは、従来の「発問に対し、挙手をさせて発表する」といった方法では拾いきれない数の意見である。チャット機能を活用することで、より多くの意見に触れ、多種多様な価値観を知るきっかけになった。最終場面の感想では、現実世界とゲームの世界を切り離せると考えている児童が「ゲームの世界でも、人間関係は繋がっている」ことを理解できていた。少なくともオンライン上だから何を言っても良いという認識はなくなったのではないだろうか。また、オンラインゲームをやったことのない児童でも「普段の生活場面に活かせることがある」と書いており、現代社会の多様化するコミュニケーション方法について考えることができた。