授業を行う先生へ

・本教材シリーズでは、善悪がはっきりしない状況や、つい見落とされがちな問題を積極的に取り上げ、リアリティのある物語として描いています。本教材をとおして、一人一人がいじめゲームのルールを変えるチェンジャーズとなっていってほしいという願いのもと制作をいたしました。

・教材を見れば、子どもたちからは何か言いたいことが出てくるはずです。子どもたちによる話し合いを中心に授業を進めてください。話し合いの時間をできるだけ多くとれるように、短めの尺の中で問題点を具体的に描いています。すぐに答えが出ないような難問についてねばりづよく話し合いながら、他者への想像力を養っていってほしいです。

・授業中は、子どもの話を丁寧に聞いたり、もやもやに共感したりする時間を大切にしてほしいです。「こうすべき」という結論を急がず、本音が出されることや、多様な意見が出されること、少数派の意見を丁寧に聞くことなどを大事にしてほしいです。

・オープンエンドで終わることを想定していますが、「本時では多様な考えが出されてよかった」というだけではなく、「これから自分(たち)には何ができるだろうか」と今後の生活につながるような終末を目指したいと考えています。授業時間内に1つの結論を出す必要はなく、これからチェンジャーズになるためのきっかけを掴んでもらいたいと思っています。

・モデル指導案を掲載しておりますが、クラスや子どもたちの実態に合わせ話し合いが深まるよう、自由に柔軟に授業を展開してください。1つの教材の中に、複数の問題が描かれており、主人公以外の視点から議論をすることが可能な教材もあります。道徳科、特別活動、総合的な学習の時間など、様々な教科等でご活用いただければ幸いです。

【プロフィール】

宮尾和孝

1978年、東京生まれ。イラストレーター。
児童書のさし絵の作品では、「教室に幽霊がいる!? 」(金の星社)
「流れ星キャンプ」(あかね書房)
カバー絵の作品に「十一月のマーブル」(講談社)
「心の友だちシリーズ」(PHP研究所)などがある。

【作者コメント】

僕もネットゲームちょろっとやるので、楽しさも、熱くなってしまうのわかるんですよね。また熱くなってるからこその真剣さ、真剣だからこそそこから生じるプレイヤー間のパワーバランスってあるのも分かります。僕ら大人の場合は、ゲームでの人間関係と実生活の人間関係が必ずしもイコールではないので、ゲームやってる間にストレスがあったとしたら、ゲームやめれば終わってしまう程度のストレスでしかなく、またゲームでの失敗はゲーム内に置いてこれちゃいます。でも、子どもたちがリアルな友達とゲームの中で作ってしまったパワーバランスや役割は、ゲームの電源をオフにしても、リアルな人間関係は明日からも続いていくし、狭い世界に住んでる(と思い込んでいる)年齢なこともあり、リセットしどころがないケースがあるように思います。今のゲームって本当に面白いんですよね。昔はマリオっていうヒゲのオジサンをを動かしてましたが、今は限りなく「自分」をイメージしてキャラを動かせるようになってます。外見を似せることもできるし、自分の好きな服を着せたり、好きなペットを飼えたりもできるので、リアルな自分とのシンクロ率がマリオとはまるで違う。だからこそ、面白いし、没頭するし、しくじった時の反動も大きい。大人から見れば「そんなことで傷つく??」てことで傷ついちゃうのも仕方ないと思います。子供が没頭することってすごくいい事なので、そこはそこでグングン伸ばしつつ、でもどこかで一歩引いて俯瞰で見て考えられる子どもたちになってほしいと思ってます。

白熱するオンラインゲーム

言葉づかいコミュニケーションオンラインゲーム

 ゲームで遊んでいると、熱中するあまりついつい攻撃的・暴力的になってしまうことがあります。特にオンラインゲームでは一人でなく複数人で遊ぶことになるため、互いに影響を与え合い、良からぬ振る舞いがエスカレートしてしまうこともあります。その空気が当たり前のものとなり、知らぬ間に誰かを傷つけてしまうことがあるかもしれません。
 本教材では、オンラインゲームで遊ぶ仲良し4人組が描かれます。最初は皆で楽しく穏やかに遊んでいたものの、次第に過度に熱中するようになっていきます。その状況にひとり違和感を抱える主人公の気持ちを想像しながら、オンラインゲームでのコミュニケーションのあり方について話し合ってみましょう。

対応する教科等  道徳:相互理解、寛容 / 節度、節制 情報モラル 特別活動

作者:宮尾和孝

脚本:阿部 学 | 映像制作:303BOOKS
※指導案・作品台本は以下からダウンロードなしで直接閲覧可能です。
 指導案  台本

白熱するオンラインゲーム

道徳:相互理解

下大澤 翔吾 先生

千葉県袖ケ浦市立 奈良輪小学校教諭

ねらい

・多様化するコミュニケーションの在り方についてどのようなことに気をつけていくか考える。
・多くの人の意見に触れることで価値観を広げるきっかけを作る。

ICT機器のオンラインアンケートと、チャット機能(いずれもTeams)を活用し、授業展開を行った。場面2、4のアンケート場面は、無記名(教師のみ確認できる)で表示される。多数派の意見に流されやすい児童が一定数いる中で、このような方法は他人の意見に左右されないため、ICTならではのメリットであると感じた。場面3では、あらゆる可能性を考えて自由にチャット上に書き込ませた。合計で40件以上の書き込みがあり、全員が投稿できた。これは、従来の「発問に対し、挙手をさせて発表する」といった方法では拾いきれない数の意見である。チャット機能を活用することで、より多くの意見に触れ、多種多様な価値観を知るきっかけになった。最終場面の感想では、現実世界とゲームの世界を切り離せると考えている児童が「ゲームの世界でも、人間関係は繋がっている」ことを理解できていた。少なくともオンライン上だから何を言っても良いという認識はなくなったのではないだろうか。また、オンラインゲームをやったことのない児童でも「普段の生活場面に活かせることがある」と書いており、現代社会の多様化するコミュニケーション方法について考えることができた。

いじめといじり、どう違う?

中学生のジュンはちょっとおとなしい性格。ふとしたことから、お笑い芸人のモノマネをするよういじられ始める。いじりがエスカレートする中、ジュンは、いじられキャラを受け入れるか悩む…。

いじり 同調圧力 部活

一生懸命じゃいけないの?

学級委員長として一生懸命がんばる美月(みづき)は、ふざけるクラスメイトを強く注意したことで、皆から反感を買ってしまう。副委員長の小花田(おはなだ)は、美月とクラスメイトとの間で、自分がどうすべきか思い悩む…。

同調圧力 傍観者

自分のSNSなら何を書いてもいい?

サッカー部の夏の大会は、オサムのPK失敗により終わってしまった。もやもやした気持ちを抱えるトモノリは、自分のSNSのプロフィール欄に、間接的にオサムの悪口を書く。書き込みをした瞬間は気が晴れたトモノリであったが…。

ネットいじめ SNS 傍観者 部活

「決めつけ」が人を傷つける?

ある日、シオリが鞄につけていたマスコットがなくなった。クラスメイトは憶測でミユが盗ったのではないかと言う。母親からは「その子とは関わらない方がいい」と言われ、シオリはミユとの付き合い方に悩む…。

家族 友達 思い込み 傍観者

男女で遊んじゃいけないの?

小学生の美咲(女子)は、いつも男子たちとカードゲームで遊んでいる。ところが、同じクラスの女子グループはそんな美咲のことをよく思っていない。美咲は、女子グループに「男子じゃなくうちらと遊ぼう」と言われ困惑する…。

ジェンダー カードゲーム 同調圧力

親には心配をかけたくない

合唱コンクールの指揮者になったシンペイは、一生懸命がんばろうとするあまり、クラスメイトから反感を買ってしまう。「学校に行きたくない」と思うシンペイだが、指揮者になったことを喜び期待してくれている母親に、そのことを言い出せない…。

SOS SNSいじめ リーダーシップ マザーコンプレックス 子離れ

大ごとにはしたくない

小学生のミナミは、クラスメイトから容姿についての悪口を言われている。ミナミは、担任の先生や親にそのことを相談しようかと一度は思うのだが、「相談をしたら、大ごとにされてしまうかもしれない」と想像し、ためらってしまう…。

SOS 容姿いじり ルッキズム

みんなでそろえたマスコット

ヒマリ、ユイ、リコ、メイは、演劇部の仲良し4人組。いつも一緒に行動していたのだが、ユイが次の公演の主役に抜擢された時から、なんとなくイヤな空気が流れ始める。ある日の帰り道、遅れてきたユイは、他の3人がおそろいのマスコットを付けていることに気づく…。

部活動 仲間外れ 同調圧力 ほのめかし おそろい

先輩には何も言えない

中学1年生になったマリアは、念願だったバスケ部に入部し、練習に励んでいた。ところがある日、悪気なくあいさつを無視してしまったことが原因となり、先輩たちから強く当たられるようになってしまう。同期の友人たちはマリアに同情するものの、みな、先輩には何も言えず…。

部活動 上下関係 年功序列 しごき ハラスメント 挨拶