いじめといじり、どう違う?
「いじり」という言葉が、私たちの日常の中で気軽に用いられるようになりました。いじりによってコミュニケーションが円滑になるという声もありますが、現実には、いじられる側が苦痛を感じたり我慢を強いられたりすることも少なくありません。いじられる側が「空気を壊したくない」という思いを抱くこともあり、問題が見過ごされてしまうこともあるでしょう。
本教材では、主人公が友人からいじられ始め、もやもやした気持ちを抱えながらも「いじられキャラ」を受け入れるか悩む様子が描かれます。主人公の悩みに寄り添いながら、日常の中でいつの間にか生じてしまう「いじりゲーム」のルールをどうすれば変えていくことができるのか、クラスでの話し合いを深めていってほしいです。
いじめといじり、どう違う?
道徳:A-2 正直、誠実(関連内容項目 B-11 相互理解、寛容)
山崎 智子 先生
千葉県旭市立干潟小学校
ねらい
ジュンと友達のやりとりについて話し合うことを通して、自分の気持ちに正直に向き合おうとする実践意欲と態度を育てる。
教材の視聴時間が短く、話し合いの時間を多くとることができたのはよかったと思います。導入では「いじり」についてそれぞれがもつイメージを共有しました。児童は、「いじり」について今まで深く考えたことがなかったようでしたが、今回の学習を通して「いじり」が「いじめ」につながることを感じた児童は多かったようです。また同じ行為をみても、「これはいじめだ」と捉える児童や「これは遊びだよ」と捉える児童もおり、感じ方や考え方が人それぞれであるという相互理解の視点で考えることもできました。今回は、クラスの実態を踏まえ「正直、誠実」の内容項目で授業を行いました。一人一人が自分だったらどうするかを考えながら、言えないでいるもやもや感や、自分の気持ちに正直に生きていくことの良さ、すがすがしさを感じ今後の生活につなげていこうとする意欲が振り返りの記述から見られました。