一生懸命じゃいけないの?
本教材では,クラスのために一生懸命がんばる子と,その子に反感をもつ周囲との関係において生じる問題が描かれます。私たちが生きていく上で、正義感をもって行動したり、一生懸命にものごとに打ち込んだりすることはとても大切なことです。しかし、時にそうした行動が原因で、周囲との軋轢が生じることもあります。また、周囲の側が対話的ではない手法でその子を排除しようとすることもあるかもしれません。
こうした問題は、両者のどちらかに非があると特定すれば解決するようなものではありません。本教材で描かれるような非・対話ゲームはどうすればチェンジすることができるのか、前向きにアイデアを出し合ってほしいです。
また、本教材にはいじめる側といじめられる側の間に立つ、いわゆる「傍観者」の立場の者も描かれます。いじめ抑止のためには傍観者の行動が鍵となるとも言われています。そうした視点から議論を深めることも重要な課題となります。
一生懸命じゃいけないの?
道徳:相互理解下大澤 翔吾 先生
千葉県袖ケ浦市立奈良輪小学校教諭
ねらい
それぞれの立場にいる者たちの価値観に触れ、様々な集団の中での自分の役割と責任を自覚して集団生活を充実させていこうとする道徳的実践意欲と態度を養う。
一生懸命じゃいけないの?
道徳:C-16 よりよい学校生活、集団生活の充実(関連内容項目 B-11 相互理解、寛容)
山崎 智子 先生
千葉県旭市立干潟小学校
ねらい
学級委員長の美月とクラスメイトのやり取りを通して、自分たちの学級をよりよい学級していこうとする心情を育てる。
動画を見た後の感想では、美月のことをかわいそうと思う児童が多くいました。そこで、クラスメイトの気持ちはわかる?と聞くと、それも分かる気がすると話していたので、「美月」、「クラスメイト」、「小花田」のそれぞれの気持ちをYチャートを使って考えてみることにしました。すると、美月はクラスをよくしたいという責任感や、委員長だからという気持ちが強すぎて張り切りすぎてしまい、相手への負担になってしまい、お互いの気持ちがすれ違っていると話していました。また、「無視」について自分の経験と重ねながら話し合うことで、どれほど相手を気付付けてしまうことになるのかを知るきっかけとなりました。終末は、相手の話を聞くことや、気持ちを考える等、誰かに任せるのではなくみんなで協力していきたいという前向きな考えが聞かれました。高学年になり、いろいろな場面でリーダーとなることが多く「はりきる」学年なので担任からの依頼でこちらの教材を実施しました。