授業を行う先生へ

・本教材シリーズでは、善悪がはっきりしない状況や、つい見落とされがちな問題を積極的に取り上げ、リアリティのある物語として描いています。本教材をとおして、一人一人がいじめゲームのルールを変えるチェンジャーズとなっていってほしいという願いのもと制作をいたしました。

・教材を見れば、子どもたちからは何か言いたいことが出てくるはずです。子どもたちによる話し合いを中心に授業を進めてください。話し合いの時間をできるだけ多くとれるように、短めの尺の中で問題点を具体的に描いています。すぐに答えが出ないような難問についてねばりづよく話し合いながら、他者への想像力を養っていってほしいです。

・授業中は、子どもの話を丁寧に聞いたり、もやもやに共感したりする時間を大切にしてほしいです。「こうすべき」という結論を急がず、本音が出されることや、多様な意見が出されること、少数派の意見を丁寧に聞くことなどを大事にしてほしいです。

・オープンエンドで終わることを想定していますが、「本時では多様な考えが出されてよかった」というだけではなく、「これから自分(たち)には何ができるだろうか」と今後の生活につながるような終末を目指したいと考えています。授業時間内に1つの結論を出す必要はなく、これからチェンジャーズになるためのきっかけを掴んでもらいたいと思っています。

・モデル指導案を掲載しておりますが、クラスや子どもたちの実態に合わせ話し合いが深まるよう、自由に柔軟に授業を展開してください。1つの教材の中に、複数の問題が描かれており、主人公以外の視点から議論をすることが可能な教材もあります。道徳科、特別活動、総合的な学習の時間など、様々な教科等でご活用いただければ幸いです。

【プロフィール】

うえみあゆみ

東京都出身
多摩美術大学卒業後CM業界を経て漫画家に。
主な著書「カマかけたらクロでした」「慰謝料上手に取れるかな?」 「子育て戦線異状あり!ファルコン隊長」「捨てられ女の処方せん」など。
現在「マタしてもクロでした」連載中。

【作者コメント】

はじめまして。イラストを担当しました、漫画家のうえみあゆみと申します。
私はおそらく皆さんのお母さん世代で、 そして、かつていじめ被害者の親でもありました。
自分の子供がいじめで苦しんでいる姿を見守った者として 皆さんにぜひ考えて欲しいと思います。
あなたの隣にいる人は、誰かの大切な娘であり、息子です。
優しい姉であり、頼もしい兄であるかもしれません。
あるいは、生まれた時からそばにいる、宝物のような妹や弟かもしれない。
世界中の人間には、それぞれ毎朝希望をもってベッドから起き上がり 安心して眠る権利があります。
あなたは、王様ではなく、誰かを意のままに支配する事はできません。
今、あなたの周りにいる人間は誰一人として、決して、 あなたのためには存在していません。
その当然の事実を、自分はいつどんな時に見失うのか。
この物語を通し、皆さんの考える一助になれれば幸いです。

「決めつけ」が人を傷つける?

傍観者家族

本教材では、主人公の持ち物がなくなってしまうというトラブルが起こった際に、周囲の人たちが主人公に様々な助言をする様子が描かれます。クラスメイトはよかれと思い「友人が盗ったのではないか」と推理をし、母親は主人公を心配するあまり「その子とは関わらない方がよい」と伝えます。友人が持ち物を盗ったかどうかは憶測でしかないのですが、周囲の声にゆさぶられ、主人公は自分が友人とどう接するべきか思い悩んでしまいます。
本教材をきっかけにして、憶測や決めつけによって人を傷つけてしまうことや、周囲の声を聞きながらも自分の意見をもつことなど、様々な論点について掘り下げていってほしいです。

対応する教科等  道徳:相互理解、寛容 / 公正、公平、社会正義 特別活動

作者:うえみあゆみ

※指導案・作品台本は以下からダウンロードなしで直接閲覧可能です。
 指導案  台本

「決めつけ」が人を傷つける?

道徳:C-13 公正、公平、社会正義
(関連内容項目 B-11 相互理解、寛容)

山崎 智子 先生

千葉県旭市立干潟小学校

ねらい

クラスメイトやお母さんの言葉について話し合うことを通して、偏見をもたず誰とでも分け隔てなく公正、公平な態度で接しようとする心情を育てる。

動画を見ている時に、友だちが「予想だけど、ミユがとったんじゃない」という場面で「ひどい!」という児童が数名おり決めつけていることに対してよくないことは多くの児童が感じているようでした。その後、Xチャートを用いて友達やお母さんはどういう思いだったのかを話し合っていくことで、シオリを思う気持ちや心配する気持ちに気付くことができました。しかし、決めつけられてしまったミユの気持ちを考えると、「学校に行きたくなくなる」「友達にそう思われて悲しい」等自分が同じ立場だったらどう思うかを想像しながら考えることで、決めつけが相手の心を大きく傷つけてしまうことを感じることができたようです。振り返りでは、一人が決めつけてしまうことでみんなを巻き込んでしまうことや、誰かが傷ついてしまうと記述する児童が多くみられました。これからの学校生活でみんなが気持ちよく生活するためにはどうしたらよいかを考える時間となりました。

いじめといじり、どう違う?

中学生のジュンはちょっとおとなしい性格。ふとしたことから、お笑い芸人のモノマネをするよういじられ始める。いじりがエスカレートする中、ジュンは、いじられキャラを受け入れるか悩む…。

いじり 同調圧力 部活

一生懸命じゃいけないの?

学級委員長として一生懸命がんばる美月(みづき)は、ふざけるクラスメイトを強く注意したことで、皆から反感を買ってしまう。副委員長の小花田(おはなだ)は、美月とクラスメイトとの間で、自分がどうすべきか思い悩む…。

同調圧力 傍観者

自分のSNSなら何を書いてもいい?

サッカー部の夏の大会は、オサムのPK失敗により終わってしまった。もやもやした気持ちを抱えるトモノリは、自分のSNSのプロフィール欄に、間接的にオサムの悪口を書く。書き込みをした瞬間は気が晴れたトモノリであったが…。

ネットいじめ SNS 傍観者 部活

白熱するオンラインゲーム

マサルたち仲良し4人組は、オンラインゲームにハマっている。最初は楽しく遊んでいた4人だったが、白熱するあまり暴言が飛び交うようになる。そうした雰囲気が好きではないマサルは、ゲームが楽しくなくなってきていることに気づく…。

オンラインゲーム コミュニケーション 言葉づかい

男女で遊んじゃいけないの?

小学生の美咲(女子)は、いつも男子たちとカードゲームで遊んでいる。ところが、同じクラスの女子グループはそんな美咲のことをよく思っていない。美咲は、女子グループに「男子じゃなくうちらと遊ぼう」と言われ困惑する…。

ジェンダー カードゲーム 同調圧力

親には心配をかけたくない

合唱コンクールの指揮者になったシンペイは、一生懸命がんばろうとするあまり、クラスメイトから反感を買ってしまう。「学校に行きたくない」と思うシンペイだが、指揮者になったことを喜び期待してくれている母親に、そのことを言い出せない…。

SOS SNSいじめ リーダーシップ マザーコンプレックス 子離れ

大ごとにはしたくない

小学生のミナミは、クラスメイトから容姿についての悪口を言われている。ミナミは、担任の先生や親にそのことを相談しようかと一度は思うのだが、「相談をしたら、大ごとにされてしまうかもしれない」と想像し、ためらってしまう…。

SOS 容姿いじり ルッキズム モンスターペアレント

みんなでそろえたマスコット

ヒマリ、ユイ、リコ、メイは、演劇部の仲良し4人組。いつも一緒に行動していたのだが、ユイが次の公演の主役に抜擢された時から、なんとなくイヤな空気が流れ始める。ある日の帰り道、遅れてきたユイは、他の3人がおそろいのマスコットを付けていることに気づく…。

部活動 仲間外れ 同調圧力 ほのめかし おそろい

先輩には何も言えない

中学1年生になったマリアは、念願だったバスケ部に入部し、練習に励んでいた。ところがある日、悪気なくあいさつを無視してしまったことが原因となり、先輩たちから強く当たられるようになってしまう。同期の友人たちはマリアに同情するものの、みな、先輩には何も言えず…。

部活動 上下関係 年功序列 しごき ハラスメント 挨拶